審美歯科・入れ歯(補綴)
歯の疾患は万病の元
歯は表層が『エナメル質』で最も硬く、中身は『象牙質』、中心は『歯髄』と言って血管と神経が通っています。歯が欠けてしまった場合、放っておくとかみ合わせの”相手先の歯”がかみ合わせを合わせようとし、伸びてきてしまうケースがあります。また、象牙質が現れてしまっている場合は特に、歯牙質は削れやすく、虫歯になりやすいため口臭の原因にもなったり、欠けた部分で頬を傷付け口内炎などの原因にもなります。体に栄養素を取り込む入り口は口であり、歯の疾患は万病の元です。
歯が欠けた場合の治療方法
歯科治療用語として「補綴(ほてつ)」という治療方法があります。 一般的には「補綴(ほてつ)をしてください」と歯医者へ行くことはあまりないと思いますが、結果的に補綴(ほてつ)という処置・治療を施すケースが一般的です。
ただし、虫歯を治すのとはまたちょっと違います。
欠けてしまった歯の状態により千差万別ですが、
- 保険適用を前提とした治療であればレジンなどのプラスチック材質を使用し処置をします。
- 「きれいに見せる」など審美的なご要望もある場合には、「冠(かん)」白いクラウン(冠)をかぶせる処置をします。(もしくは差し歯と言ったほうがわかりやすいかもしれません。)
- 取り外しができる「入れ歯」、取り外しのできない「入れ歯=ブリッジ」もあります。
- インプラントという最新の治療方式もあります。
表にしてみると以下のようになります。
審美歯科とは
「審美歯科」という用語は、「審美性を追及する歯科治療」という広い意味で使われています。その中でも見た目の美しさを追求した詰め物やかぶせ物、差し歯などは日々さまざまな材質による新しい商品が開発されています。
保険適用範囲の銀歯やレジンなどが一般的ですが、審美性はもちろんのこと、劣化などによる長期的な治療費を計算した上でオールセラミックやジルコニアなど長持ちする材質を選択する患者様が増えています。
おそらくみなさんのご想像よりも選択肢が広く、ご予算に合わせて様々な方法がとれる審美的歯科治療です。
クラウン(単冠)とインレーの違い
クラウン
一般には歯の「かぶせ物」として知られており、単冠とも呼ばれます。歯の欠損した部分を補修仕切れない場合、歯全体を冠として覆い、1歯全体を補います。
インレー
一般には歯の「詰め物」として知られています。虫歯が小さい場合にはその虫歯の部分のみを削り取り、詰め物(インレー)を詰め、治療を終了します。
詰め物かぶせ物の種類
保険適用の材質
・レジン樹脂
保険適用の材質の中で一般的なものの代表がレジン樹脂です。レジン樹脂は永年使用していると、変色したり、磨り減って擦り減りやすく、脆い材料のため、噛み合わせに強い力が加わる部分への使用はお勧めできません。
・銀歯
いわゆる「銀歯」です。噛める機能は変わりませんが、お口の中が暗くなり、歯茎の色も黒ずんだりすることもあります。
また、金属アレルギーになってしまうこともあります。
自費系の材質
ジルコニア、オールセラミックス、メタルボンド、ハイブリッドセラミックス、金歯他様々な材質があります。保険適用の材質に比べ人体に影響が少なく、審美的にも優れており、生涯治療費は保険材質に比べると安くなるケースが多いです。
治療方法による違いとその特徴
クラウン(前歯)糸切り歯より前
種類 | 写真 | 特徴 |
---|---|---|
レジン前装鋳造冠 |
材質:銀合金 |
|
メタルボンド冠 |
材質:白金+金 セラミック |
|
エステニア |
材質:金属+ハイブリッドセラミック(又はハイブリッドセラミックのみ) |
|
オールセラミックス (ジルコニア) |
材質:セラミック+ジルコニア(模造ダイヤモンド) |
|
ファイバーコア |
材質:グラスファイバー |
クラウン(奥歯)第一小臼歯以後
種類 | 写真 | 特徴 |
---|---|---|
保険銀合金 |
材質:銀合金 |
|
メタルボンド冠 |
材質:白金+金 セラミック |
|
エステニア |
材質:金属+ハイブリッドセラミック(又はハイブリッドセラミックのみ) |
|
オールセラミックス (ジルコニア) |
材質:セラミック+ジルコニア(模造ダイヤモンド) |
|
ゴールド冠 |
材質:金 |
インレー
種類 | 写真 | 特徴 |
---|---|---|
保険銀合金 |
材質:銀合金 |
|
ゴールドインレー |
材質:金 |
|
エステニアインレー |
材質:ハイブリッドセラミック |
|
セラミックインレー |
材質:セラミック+ジルコニア(模造ダイヤモンド) |
入れ歯・義歯の基礎知識
歯を失ったときの選択肢には、義歯(入れ歯)、ブリッジ、インプラントなどがあげられます。
患者様の症状によっては選択することのできない治療法もありますが、それぞれの治療法のメリットやデメリットがありますので、もっとも合う治療を選択することが大切です。
入れ歯・義歯の種類
部分入れ歯
バネのある入れ歯【保険治療】
部分入れ歯は両隣の歯にバネを引っ掛けて入れ歯を安定させる仕組みです。土台となる歯に負担がかかり、健康な歯の寿命を縮める可能性がありますが、保険で行える治療なので、費用が比較的安価であるという特徴があります。バネの部分が金属で出来ているので、大きな口をあけたときなどは目だってしまいます。
バネのない入れ歯【自費治療】
金具を使っていませんので、歯に優しく、金属アレルギーの方にも最適な入れ歯です。お口を開けた時に、金具が目立ってしまうことも無く、また付け心地もバネのあるタイプに比べてフィット感があり、自然です。
総入れ歯
プラスチックで出来た入れ歯【保険治療】
保険適用の範囲で作られる入れ歯は、床と呼ばれる入れ歯の土台部分がプラスチック製のものになるのが一般的です。強度を出すためにプラスチックを分厚く作り、そのために熱の伝わりが悪かったり、装着時は厚みからくる違和感があります。保険を適用してつくるため、費用は安く抑えることができます。
金属でできた入れ歯【自費治療】
床と呼ばれる土台部分に金属を使った総入れ歯です。金属で出来ているので熱の伝わりがよく、装着時の違和感も軽減され、プラスチックのものに比べるとおいしく食事も楽しむことができます。保険の制約がないため、見た目(審美性)や口腔機能の重視など色々な工夫がなされた様々な種類の入れ歯があります。